Tout deviennent un caractère.
映画の感想を中心に書き綴っています。ネタバレや個人的で偏った感想なども含まれているのでご注意を。
Manhattan Murder Mystery(1993)
監督:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン、ダイアン・キートン、アラン・アルダ、ロン・リフキンetc
ストーリー:NYのアパートに住むラリー(ウディ・アレン)とキャロル(ダイアン・キートン)夫妻。ある時、隣家の老夫婦の妻が急死してしまう。妻が亡くなった後の夫の不審な行動に疑問を持ったキャロルが嫌がるラリーや友人を巻き込みながら、探偵顔負けの調査にのめりこんでいく。やがて、彼女の調査はますますエスカレートしていくがその結果意外な真実が明らかになる…。『マンハッタン』(1979)以来、実に14年ぶりにダイアン・キートンとの共演が実現。
以下、ネタバレありの感想です。
この映画大好き!
ウディ・アレンの作品で一番最初に観た作品です。この映画がきっかけで彼の作品を観るようになりました。この映画、殺人事件が題材なので一応はサスペンスなんですが実際はコメディです。もう色々と笑わせてくれました。
ストーリーは簡単に言ってしまえば殺人事件の謎を解く為に奮闘する4人の男女、という所でしょうか。ですが、推理と平行にこの4人の恋愛模様なども絡んできます。
まず、この映画で何が好きかって、ウディ・アレンの台詞!サラッと面白いことを呟いています(笑)中でも笑ったのが、「ワーグナーを聞くと、東欧侵略したくなるんだ」とか「…ベッドの下にね」とか「今夜は、弱虫お断りのレストランへ行こう」とか!他にも色々とあるんですが、中でも一番好きなのは「ベッド~」の台詞。
どんな会話だったかというと、ダイアン・キートン演じるキャロルが隣のハウス夫妻の家に不法侵入した時に眼鏡を忘れてきてしまうんです。それでウディ・アレン演じるラリーとお菓子を持って、眼鏡を探す為にお宅にお邪魔します。ハウス氏がお茶を入れている間に探すけど見つからず…。そんな時にハウス氏が落ちてたよーと持ってきてくれるんです。しかも何処で見つけたかと言えばベッドの下(笑)!そこで何とか取り繕うとして…こんな台詞を言ったのでした。「何でも蹴ってベッドの下にやってしまうんだ」って台詞がツボ!彼の一言が凄いツボで始終笑いっぱなしです。
こう、文字だけ見ると面白さも微妙な気がしますが、実際に見ると間とか雰囲気が物凄く面白く感じます。あと想像すると面白くないですか?色んな物を蹴ってベッドの下に入れるダイアン・キートン…!普通に無茶だけどこれが面白い。またこの部分だけでも観たいな…(笑)!
あと面白いのは、ハウス氏を脅す為に作ったテープ。ハウス氏には若い愛人がいて彼女は役者志望。上手い事に、ラリーの友人でキャロルに好意を持っている劇作家もこの推理に参加していたので、オーディションで彼女を誘き出して彼女の声を使って文を作るんです。内容は脅す物とは違ってますが上手い事ストーリーを作ってます。ハウス氏の名前はポール、だから「棒(pole)を…」って台詞とかを使って作ります。
結局は上手くいかないんですけどそこも面白い。
あとはラストの鏡張りの映画館も素敵だったなぁ。何処から狙われているか分からない緊張感!本当にこの映画大好き!
一応、何故殺人事件が起こったのか、その辺の詳しい事は伏せてあります。もし気になった方がいれば観てみて下さい。サスペンス、ミステリーが苦手な方でも気楽に観れる映画です。何て言ったってほとんどコメディですし、他のウディ・アレンの作品のように難解な映画でも無いですし。
(もしかして私だけかな、難しいと思ったのは…)
ちなみにこの映画にはいくつか元ネタとなった作品があるそうです。ヒッチコックの『裏窓』(1954)が筆頭に挙げられるそうで。まだ観た事無い作品だから後々観たいと思います。あと、劇中映画『深夜の告白』(1951)や『上海から来た女』(1947)も気になる。
あ、あとこの映画は、もともとミア・ファロー主演を想定されて脚本が作られたそうです。ですが例のスキャンダル(彼女の養女と恋愛関係に…というものですね)により、ミアの出演は不可能となり、『マンハッタン』(1979)以来、実に14年ぶりにウディとダイアン・キートンの共演が実現したそうです。
ホント、この映画はこの2人だからこそ面白いんだよな~!
長年の友人だからこそ息がぴったりで、物凄い面白い作品になってます。また観たいなぁ~。